定本 トランジスタ回路の設計―増幅回路技術を実験を通してやさしく解析 - Amazon
それが、こちらの本『定本 トランジスタ回路の設計』
書名から察するに、中身はトランジスタのお話です。
こういう人に向いている
- オームの法則を学んだけれど、実際に使うとき悩んでしまう。
- LEDにかかる電圧と、電流と…うーんオームの法則をどう使えばいいんだ?
- トランジスタの使い方は?トランジスタで何ができるの?
- 初心者向けの本を読んで一通り学んだつもりだけど、もう少し踏み込んだ知識が欲しい。
この本は1991年出版で、結構古いですが、今も増刷しておりとても息の長い本です。
それもそのはず、電子回路に関係する法則はなにも変わっていないので、出版が古かろうと関係ないのです。
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例えば、上の本を読んだあとに、今回ご紹介している「トランジスタ回路の設計」を読むというのも良いと思います。
内容はどんな感じ?
目次を見ただけでわかりますが、「トランジスタ回路への誘い」から始まり、増幅回路やアンプ回路の設計、周波数特性のお話、そして直流安定化電源の設計など
索引含め、300ページ超にわたり、トランジスタ回路の話です。
トランジスタなんて興味ないよ…なんて方にも読んでいただきたい。
この本の良いところは、設計していくところにあります。
初めから著者(プロ)が設計したものを見せられ、「じゃあ作りましょうか」
ではなく、設計のプロセスをきちんと解説してくれ、疑問点を残さぬよう原理にも詳しく触れてくれます。
初心者が悩むのは、オームの法則をどういう感じに、どういう場面で使って設計に役立てるのか?
という点だと思います。
トランジスタはベース-エミッタ間の電圧が0.5~0.7Vとか決まっていますよね。
LEDも色によって差はありますが、LEDにかかる電圧は決まっています。
こういった決まった数値を前提に、オームの法則を利用し、必要な電圧や電流の計算をして、抵抗器の抵抗値を決めていくのです。
『定本 トランジスタ回路の設計』では、そういった設計に必要な考え方から計算までをみっちりやってくれます。
トランジスタの設計がわかるようになると、他の電子回路設計にも役立てることができます。
それから、トランジスタ回路では必須ともいえる、抵抗とコンデンサの働きや意味も理解できるようになります。
わたしも電子回路のことが全然理解できなかったころは、回路図を見ても、ここの抵抗器ってなんの意味があるの…?
と悩みました。(たまに今でも悩んだりしますが)
回路設計で必ず使うことになる、抵抗の意味をきちんと理解することは、今後の電子工作においてもかなり大事なことです。
本音をぶちまけると
この本は最初の90ページでお腹いっぱいになります。(一応完読しました)
でも最初のほうだけ読んでもかなりためになりますよ。
要は、プロが設計するときの考え方を知ることができればいいのです。
実現したい目的があって、それに達するための諸条件を、オームの法則等に基づきクリアしていく。
ここの流れを知ることが大事なのです。
最初の90ページで、トランジスタ回路の概要、増幅回路の設計、トランジスタの選定から電源の選定、出力を強化する回路(エミッタ・フォロワ回路)などを学ぶことができます。
いやぁ、これだけで満足ですよ。これに加えてあと200ページぐらいありますからね。
図も盛りだくさんで最高です。
そうそう、図はこんな感じです。
回路図による解説だけでなく、オシロの波形まで載せているっていうね。
丁寧すぎて嬉しい。
トランジスタって表に色々と性能が書かれていますよね。
でも正直どれを見て判断すればいいのか…
そんな疑問も解決してくれる。
○○を見て、これから設計する回路の条件を満たしているものを選べばいい…
といった感じで説明してくれています
各抵抗値とそこに流れる電流とか、コンデンサの解説もきちんとね。
さて、本の紹介はこの辺で切り上げて終わります。
興味がある方は、書店で立ち読みですよ!
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